30歳のとき、私は地方都市で分譲マンションを購入しました。
最初はひとり息子とのふたり暮らし。
のちにミニチュアダックスの女の子、くぅちゃんも加わり、3人暮らしになりました。
仕事に子育てにバタバタしながらも、「ここが私の居場所」という安心感があり、
家族と過ごす日々はとても幸せでした。
分譲マンションは遮音性もしっかりしていて、建物の造りもどっしりしていて。
落ち着いて過ごせる住まいって、こういうことかもなぁと、あの頃よく感じていました。
息子に、そして時にはくぅちゃんのために料理をしたキッチン。
ベランダでは小さな野菜やお花を育てたり。
あの頃の生活には、毎日ちょっとした張り合いがありました。
そんな暮らしも、息子が関東の大学進学したことで、少しずつ変わっていきます。
3LDKのマンションに私とくぅちゃんのふたり。
「この広さもういらないかな」と思うこともありましたが、
それでも静かに、穏やかに過ごしていました。
その数年後、私自身も東京への転勤が決まり、
いよいよ住まいを変えるタイミングがやってきます。
思い切って、マンションを売却しました。
ちょうどその頃、くぅちゃんが虹の橋を渡りました。
住み慣れた家を離れーー
今は、東京のワンルーム賃貸でひとり暮らしをしています。
駅近で便利だし、掃除もラク。
固定資産税も修繕積立金もないから、これはこれで気楽です。
でも、一方で感じるのは「分譲の構造ってやっぱり良かったな」ということ。
壁の薄さ、音の響き、設備の質・・・
住んでみて分かる、小さな違和感があるのも事実です。
もう一度、購入しようか・・・?
30歳の時は若さゆえの勢いで購入できたのに、
50代、パートで少ない収入しかない私・・・
もう勢いだけでは、決められないですね。
それぞれにメリットもデメリットもあって、
どちらも経験しているからこそ、考えれば考えるほど悩みます。
「今の自分にとって、どんな暮らしが心地いいのか」
まだ答えは出ていません。
でも、焦らず、ぼちぼち考えていきたいと思っています。